第2話
「まぁ、男なんて所詮スケベなんだから。でも2度目のデートで人の嫌がる事するなんて最低だよ。別れて正解。」
スッパリ言い切る敦美はいつも通り強気なクールビューティー。サラサラの漆黒の髪はストレートのロング。
少しつり目だけど長い睫毛は自前で化粧っけはあまりない。
「はははっ。」
別れたと言うかフラれたんだけどね。
私は苦笑いしてミルクティーを飲むしかない。
「なによぉ、せっかく奈美と恋バナ出来ると思ったのにぃ。」
舞彩は拗ねて横を向いた。
舞彩は舞彩でとても目立つ美人だ。
大きなアーモンド型の目。少しだけ栗色ががった髪はフワフワの癖っ毛。どこにいてもパッと目立つ甘ぁい感じの美人さん。
「私より敦美とすりゃあいいじゃん。」
舞彩は1つ上の幼なじみと。敦美は2つ上の野球部の先輩と付き合っていた。
うちの高校は野球が強くて敦美の彼はかなり遠くからこの高校のスポーツ推薦で入学してきた。
敦美は外見とかクールなくせに、中学生から付き合ってたその先輩を追ってきた情熱家だ。
彼は下宿中。敦美は親類の家に居候して学校に通ってる。
「無理ぃ。敦美ってば秘密主義で口堅いし彼氏は夏の大会終わるまで野球忙しいからろくに会えないらしいの。」
「余計なお世話。」
敦美は舞彩に素っ気ない。
派手な美人の舞彩とクールな美人の敦美。間に挟まれた私は残念ながらどう見ても美人顔ではない。
強いて言えば『可愛い』
強いて言えばだ。
あ、なんか自分で空しくなる。
「落ち込まないで大丈夫。奈美は可愛いんだから直ぐに彼氏くらい出来るわよ。」
敦美は笑って言うけどね。
そりゃ、私も敦美や舞彩位綺麗だったらなぁ。
ため息をついて残りのミルクティーを飲み干した。
「あ!
舞彩は嬉しそうに席を立って化粧室に向かう。派手なわりに電話を人前で受けたりしない。
「何気に奥ゆかしいよね。」
私が感心してると
「舞彩の方が秘密主義だって事よ。」
敦美が素っ気なく言った。
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