第57話
「要らねえ、っつってんだろ。」
俺の言葉に
「「 あ゛!?」」
大柄な男2人が顔をしかめた。
ふん!俺を相手にカツアゲとか笑わせんじゃねえっつ~の。
今度こそ背を向けて歩き出す。
時間食っちまったな。
仕方ない。電話は諦めて放課後にしよう。腹もへったし亜依ちゃんの弁当食うかな。
「こいつっ!大人しく下手にでてりゃ付け上がりやがって。」
「金置いてけや。」
しつけえな。
後ろから声が追いかけて来る。やっぱりカツアゲかよ。さすがは男子校。
『緑王学園』は結構偏差値高かったし共学だったからこう言うのはなかった。俺は初めから湯島の跡継ぎで有名だったから喧嘩しかける馬鹿も居なかったし。
さて、どぉすっかな。
腹へったしウザいし…あ、金持ってねえや。教室だわ財布。
こんだけ治安悪いと盗まれたりするかな。鍵つきロッカーに放り込んだままだけどさ。
無視して歩いてるとぐっと肩を捕まれて振り向かされた。
左から拳が入って来る。
「遅い。」
辺りに人気はないし。ま、良っか。
緩いパンチを受け止めると加減して拳を打ち込んだ。的がデカイからクリーンヒット。男はその場に踞る。
「俺、チャラ男に見えるかな。結構喧嘩なれしてんだけど。」
一応もう一人に忠告する。
「こんのっ!!」
聞いちゃいねえな。
「だから遅い。」
殴りかかる2人目を往なしてそのまま後ろから回し蹴りをかました。
手加減したのが良かったのか悪かったのか踞ったもう一人に折り重なって倒れた。
「ぁあ!昼休み終わるじゃねえか。」
俺の上げた叫び声に倒れた2人がびくりと震え上がる。
まったく根性がない。
「2度とその面見せんな。次はその顔ボコボコにしてやるからな。」
どうやら昼飯が食えそうにない俺は腹が立って言い捨てた。
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