波乱の学生生活 Side湯島英斗
第55話
side 湯島英斗
適当に自己紹介して座った窓際の席。
前から四列目。
微妙だな。後ろに2人。
あまり後ろに座られるのは好きじゃないが、授業を集中して受けるには前の方がいい。
何しろ俺は成績優秀者で入れてもらったから勉強だけは頑張らないと。
私立の男子校だけあって校則は緩い。
その分一芸に秀でた奴を入学させて、勉強やスポーツのレベルをアップさせる教育方針の学校だ。
ぶっちゃけ成績よけりゃ大抵のことには目を瞑ってくれる。
だからヤクザの息子の俺も受け入れたんだと思う。金髪のまんまだしな。
さすがにお袋の友達の理事長。なかなかぶっ飛んでやがる。
午前中真面目に授業を受けてフラりと教室を出た。
目的地は人気のない場所。
タバコ?外れ。電話をかける場所を探してる。
山路淳志の捜索が目的だ。
亜依ちゃんはあっさり許したが俺的にはムカついてる。秀一郎さんに聞いても誤魔化されたし。居場所を突き止めてぶん殴る…いやいや、優しく話を聞くぐらいしないとな。
取り敢えず湯島と成瀬。樋口と山崎辺りに話を聞けば簡単に見付かると思ってるんだが。
どうやら邪魔する奴がいるっぽい。
さっきから足音が二つ後ろから着いてきていた。
転校早々、面白そうじゃん。
俺は口角を上げてゆっくり振り返った。
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