かえってきた日常
第50話
「一晩でやつれたね。」
秀一郎を玄関で見送った後。
朝からエイに労られるとか情けない。
「昨夜秀一郎さんそそくさと宴会抜けたし、皆が『若姐さん大変ですねぇ』って噂してたぞ。」
面白がって笑いモノにされてたのか。昨夜は夕飯の後ささやかながらエイの歓迎会があったからな。
「みんな安心してたよ。『若頭が何時もの若頭だ。』ってさ。」
「‥‥‥」
「亜依ちゃんが消えた時はマジで真嶋が終わると思ったらしい。」
いやそれはない。でも気持ちは嬉しいかも。お礼くらいは言うべきか人として。
『…ありがと。』
「ぶっ、くくくっ…酷いかすれ声だな。昨夜の痴態が目にうかぶよ。」
『…るさいっ。』
痴態とか言うな!さんざん啼かされて私の喉は酷いもので
「婆さんみてぇ。」
けらけらとエイに笑われた。だから声を出したく無かったんだ。
この声で高校に付き添う私の身になれっ。
「英斗様それくらいで。」
爆笑してる英斗をたしなめたのは、
『渡辺さん!治ったの?』
「はい。やっとお医者様の許可が出ました。」
『よかったぁ。』
若頭邸を支える
彼は本家の奥を取り仕切る船橋リョウについて勉強していた。
見た目のマッチョな所とあいまって彼がいてくれるだけで安心感は半端ない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます