第49話

その夜私は秀一郎を問い詰めた。


「山路さんをどうしたの!」


「今頃は適性検査中だな。役にたたなきゃ送り返されて来るだろ。ボロボロで。」

ニヤリと笑う秀一郎。


「悪い顔。もしかして山路さんに意地悪してない?」

私が睨むと


「当たり前だろうが。お前と眠れない夜なんぞ2度とごめんだ。」

秀一郎はそう言いながら私を抱きしめる。


「まさか山路さんを成瀬や湯島に送りつけてないよね。」


「…さあな。」

山路さん大丈夫だろうか。


「どのみち稼働率60%のウチじゃ面倒みられねえし、里江のお袋さんの目に触れたら結婚どころじゃなくなる。」


「確かに。」

真嶋の動きには目を光らせてるかも…。なにしろ片桐誠之助の事を探り出したんだし。それを考えたら他所の組の方が安全かもしれない。


「だいたい英斗なんてややこしい奴を引き受けたんだ。これ以上男を増やして堪るか。」


「…妬いてるの。」


「ムカつく位な。あのヘラヘラした顔が秀人さんに見える。」


「あははははっ金髪で若いひでちゃん。」

確かにエイは父親似だ。

明日はエイの転校の手続きに一緒に高校に行く予定。それを聞いた夕飯の時からずっと秀一郎は面白くないしてる。

なんとなく…


「…秀一郎。」


「2日分愛さなきゃな。」


「…はい?」

ヤバイスイッチが入ってる。

私はベッドに運ばれて思うままに愛された。

どこが2日分だよっ!


「…しゅ、ちろ、も、無理っ…。」

与えられ過ぎた快感に目の前が真っ白になり気を失うように眠りに落ちた。

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