第45話
「じ、自分は…っ、」
おずおずと話し出した淳志さんは、いや淳志くん?思ったより声が若い。
「え、いくつ?」
思わず話の腰を折ってしまった。
「あ、すいません。
「‥‥‥」
19才!結婚はできるけど未成年かぁ。
里江さんと9才年下なんだ。ふむ。私はチラリと隣の若頭さまを見た。
「…ん、だよ。」
「いや、同い年なんだなぁ…と。」
普通の19才はこんな感じかぁ。
真嶋なんて重い代紋を背負ってる秀一郎は明らかに普通ではない。普通では務まらない。
「侍にもなるわな。」
昔の侍は15で元服だったもんな。そりゃしっかりするか。秀一郎の事を秘かに侍呼ばわりしてる私はうんうんと頷いた。
「俺が老けてるとでも言いてえのか。」
「あ~、まあ。しっかりしてなきゃ真嶋の若頭さまは務まらないからなぁ。なんて感心した。」
「誉めてんのかそれ。 」
「最大級の誉め言葉じゃん!
私の旦那様は凄いなぁってさ。インフルエンザ蔓延中。稼働率60%位の若頭邸が揺らがないのは誰あろう若頭秀一郎の人徳じゃん。」
なんとなく納得してない顔の秀一郎に教えてあげた。熱だした皆を看病してて実感したこと。
「若頭に申し訳ない。」
「若頭を支えてください。」
「大事なときにすんませんっ。」
皆がみんな秀一郎への思いを口にした。それを聞くたびに嬉しくて病人相手なのにニコニコしちゃったっけ。
「お前、看病はほどほどにしろ。」
「‥‥はぁ?」
何故にその反応。何故に不機嫌。
ここは素直に組員達に感動する場面だろ。
「あのぅ…。」
どっぷり自分の考えに浸ってた私は我にかえった。
淳志さんの話の腰を思い切り折っちゃったんだっけか。
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