第41話
「「「「「お帰りなせえやしっ!!」」」」」
帰って来た日本建築のデカイ家は真嶋秀一郎邸。
「…ただいま。ごめんなさい心配かけました。」
「皆、疲れたろ。悪かった。」
私と秀一郎がずらりとい並ぶ皆に頭を下げると、
「若頭は悪くないっす。」
「若姐さんのせいでもないっすし。」
「飛び出して当然っす!」
私に声をかけたのは秀一郎の幼馴染み3人。
通称ヒロちゃんズ。
野田さんは秀一郎のタメ。あとの二人は1つ上。皆、父親が真嶋の組長に仕えていて、2世ヤクザさんだ。
ちなみに私に好意的なのは工藤里江と秀一郎の画像を見たせいだと思う。
だいたいの事情はもう東條さん辺りから聞いてるはずだけど
私は帰りの車の中で大まかな説明は金城さんと秀一郎から受けていた。
「さすがにい並ぶ面子は若いなぁ。」
のほほんと感想を述べる金髪の不良甥っ子は、さっきから皆の注目を浴びていた。
「皆、今日から家に下宿する湯島英斗だ。あの湯島涼子さんのご子息だが、涼子さんからは特別扱いするなとくれぐれも言われている。
3年間、色々教えてやってくれ。」
「「「「っ、はいっ!!」」」」
秀一郎の紹介に英斗の顔がひきつった。さっきビジネスホテルで秀一郎に宣戦布告みたいなことしてたしな。
軽い嫌がらせだな。
しかし、なんでここでも涼子姉の名前が出るんだ。
紹介なら普通、湯島秀人の息子じゃね。首を捻りながら、金城さんに案内されて行くエイを見送った。
「意地悪だね秀一郎。」
私が上目使いで言うと、
「…たりめぇだ。わざわざ長男を外に出すんだ。そんくらい湯島も考えてるよ。あいつは涼子さんのスパイみたく言ってたが弟との関係も考えテンじゃねえか?」
弟…ビイのことか。
「エイとビイ、仲悪いの?」
私の言葉に秀一郎は眉を寄せる。
「AとB?なんだそれ。」
通じない。当然か。
「エイは英斗。ビイは英哉。父親をひでちゃんって呼ばされてたからね。」
私の説明に秀一郎は苦笑した。エイはともかく、ビイはねえだろと。
そっかな。本人達はにこにこして私の後を追っかけてたよ。幼稚園の頃だけどさ。
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