第23話

「‥‥‥‥」


「あら、もう起きちゃったの。」

あっけらかんと口にしたコイツは俺を眠らせた女。


「…何してやがる。」

俺の低い声も気にせずニヤリと笑う。


「ふふっ良いこと。しよ?」

何故か素っ裸の工藤里江に腕を掴まれて里江の胸に導かれる。

無駄にデカイ胸だな。

まったく触る気が起きない俺の腕は里江が手を離すと同時にシーツに落ちる。


「やっぱりまだ薬が効いてるのかしら。こっちは元気なのに…。」

反応してる俺の下半身に手を伸ばしてくる。


「触るなキモイ!」


「な…!?」

固まる里江を体の上から払い除ける。


「きゃあっ!!」

素っ裸で足を広げてベッド下に転げ落ちた里江に


「触る気にもならねえ。」

冷たい視線を浴びせベッドを降りた。だいたい反応してるのは生理的なもんだろ。

チラリと時計を見れば朝の5時。所謂アサダチってヤツ。てか何で俺を裸にしてんだ。


「ふん?」

グルリと部屋を見渡した俺は1人の男と目が合った。スマホを構えて動画を撮影中か。

スタスタと裸のまま近づくと怯えて後退りしやがる。


「説明してもらうぞ。」


「…ひいっ!」

怯えた男からスマホを取り上げ

男を殴り付けた。真だ薬が効いてるから腰が入った拳が打てない。

それでも男はうずくまり痛そうに唸る。しばらくは起き上がれないと判断して画像をチェックした。


「なんだこれ。」

見るに堪えない。こんな女との絡みとか情け無さすぎる。

思い切り床に叩きつけ破壊した。

スマホは便利だが衝撃に弱いのが欠点だな。ついでに風呂場を覗いて溜まったお湯に放り込んだ。

抹消しなきゃ気が済まねえ。

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