第22話

『‥‥‥‥』

『‥‥‥?』

『‥‥‥』


なんだ?

耳障りな声だな。

ぼんやりと浮上する意識。

眉を潜めるような不快な予感。

俺は今、どこで何してた?

自問自答して答えに辿り着いた。

工藤里江の手に堕ちたのだと。


『絶対に接触しないで!』

亜依の警告通りになっちまったな。

情けねえ。嫁の忠告を嫉妬扱いしてまともに取り合わなかった。

俺を殺さず生かしてるってことは何かの取引に使う気だよな。

胸くそ悪い。

殺さなかったこと後悔させてやろうじゃねえか。

俺は目蓋を開けると自分の状況を確認してア然とした。

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