第15話
「伊達さんっ!」
はっと我にかえったのは
「このままRホテルに向かって宜しいんですね。」
「ああ。それでいい。」
あわてて返事を返すと車は動き始めた。
服部承希が戦線離脱してから2日。
会合相手の予定変更が続いて俺はスケジュール調整に四苦八苦していた。
何で側近がいない時にスケジュールが変わるんだよ。嫌がらせか。
なんて勘ぐってたら、
「慣れないのにすまねえな。服部ガサクサク対応しちまってるせいで、みんな無理に会合とかねじ込もうとすんだよ。」
「‥‥‥」
若頭にそう言われたら、『私には無理です出来ません。』とか言えねえだろ。くっそ。たった2日で胃が溶けそうだ。
オマケに運転手まで慣れた奴がバタバタとインフルエンザにかかりやがる。
ダブルパンチでぐちゃぐちゃだった。
なんとかかけずり回って、やっと若頭の予定も今日は後ひとつ。
龍聖会の組長達との懇親会と言う名の宴会のみだった。
回り持ちで変わる場所は縁戚にあたる工藤組のシマ。
その中でも一番でかいホテルだ。
工藤組の一人娘には注意するように服部から警告は受けていたが幸い今夜の宴席に彼女は出なかった。
外国なら夫婦同伴ってのがセオリーらしいが日本は昔ながらの男だけの宴会ってのが残ってる。出席する女はほとんどコンパニオンだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます