第9話
「さて、どうする亜依ちゃん。」
エイに聞かれて
「取り敢えず秀一郎から離れて工藤里江に接触するつもりだったんだけどなぁ。」
こんな直ぐに包囲網しかれるとか想定外だ。
「成る程ね。真嶋も亜依ちゃんに逃げられないように事前訓練してたりして。」
「あははははっ。」
そう言えば、前にそんなシュミレーション組んでるって言われた気がした。
「…マジかよ。」
エイが引いてる。
無理もない。聞いた時は私も引いた。
「スマホに連絡して来てるかも知れないんだけど置いて来たからなぁ。」
アドレスは覚えてないし。
「なんで?ってGPSか。」
「うん。すぐ捕まりそうでさ。」
スマホは便利だけど、電源入れたらGPSが作動しちゃうし使えなきゃ意味無いし。誤差があるとは聞いてるけど。
「とにかく味方が必要だな。誰か手を貸してくれそうな奴は居ねえのかよ。」
「う~ん。」
真嶋関係以外かぁ…。
「あ!」
「うおっ?」
奇声をあげた私をガン見するエイを無視してカバンを漁る。これは病院を退院した日に持ってた鞄。すっかり忘れてたけど
「あった!」
取り出したのは真新しい白のスマホ。
1度も使ってないけど。
祈る気持ちで電源を入れたらバッテリーは70%でさすが made in JAPAN!
感動してしまった。
「何?スマホ?」
「そ。美鈴姉にもらった魔法のスマホ。」
登録された番号から目的の名前を探しだした。
まだ入院中だけどギブスは外れてリハビリ中のはず。きっと知恵を貸してくれる。
『はい。』
ワンコールで出た声に泣きそうになった。
「山崎っ。」
『やっぱり亜依お嬢すか。』
「うんっ知恵を貸してっ。」
いきなりの声に山崎は低く笑うと、
『承知。』
決まり文句をサラリと吐いた。
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