第2話
とにかく真嶋の本家を出て何とか親友のウチに身を隠そうと動いているのだが、如何せん包囲網がキツくて身動き出来ない。
やっと最寄りのJR駅まで辿り着いた所なのだ。自販機の陰に隠れながら辺りを見渡す。
追っ手がしつこい。
それにしても、こんな人込みで叫ばないでよね恥ずかしい。目深にキャップを被り直してため息をついた。
あ?
嫁ぎ先から逃げて浮気でもされたのかって?
ふふん!よくわかるじゃん。
大正解。
うちの主人の真嶋組の若頭が昨夜、無断外泊したのよ。初めての出来事。
しかも寝ずに待ってた私のスマホに女とベッドインしてる写真が送りつけられて来たんだしっ。やってくれるじゃん。
ムカつくのも納得でしょ。
何かさぁ送り付けた奴の思い通りに動くのは癪に触るんだけど、でも秀一郎の顔を見るのはもっと腹立つんだよね。あれほどあの女には気を付ける様に警告したのに。
仕返ししなくちゃ気が済まないわよ。
誰に?
勿論、秀一郎とあの女とによっ。
相手の女?もちろん知ってる女だしっ。寝不足の恨みをはらさなきゃ気がすまないじゃない。
私は、ふん!と鼻を鳴らした。
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