天狗

てると

天狗

 こんな夢を見た。

 夜間外出禁止令が出ている日本で、私は人目を盗み、人影のない神社の境内に忍び込む。そこで、私は境内の石に、小さな石を手に持って、楔形文字のような古代文字を書き連ねる。そうして私が立ち去ると、私の友人が夜中にやってきて、その文字の横に古代文字を書く。そうして、私達はこっそりと情報交換をしている。

 そうしてある時、私が神社の裏手で文字を書いていると、天狗の形相をした神官が私を睨んでいる。非常に恐ろしく、私は目を覚まし、しかし、横で友達が寝ているはずだと思って目をやるが、あるのはゴミの山だけ。

 触らぬ神に祟りなし、とは、このことか、と察した。いくら友達がいるからと言って、神社に秘密基地を作るような真似をしていると…、他人というものは、いつまでいるかわからない。


 私の敬愛する教授が、宮崎に出向き御神体であろう「さざれ石」を、神官の目を盗み、打ち砕いて家に持って帰った、などという話は、なぜそのようなことができるのだろうかと不思議に思うが、そうした話を学生に対して行うことで、教授は、なんでもやってみればよいということを教えているのではないかと思う。ここに、天狗以上のものがあり、神官以上のものがある。


 国法を、また暴力を畏れる者、神の国の民に非ず。また、天狗如きを畏れているうちは、ただ神のみを畏れていない。

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天狗 てると @aichi_the_east

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