8


「誰にも渡さない……」


毎度来る男を見つめる赤い花嫁。


彼女は何を思うのだろう。


伸ばそうとする手を神は隙かさず遮った。


【アイツに触れるな】


花嫁を抱き寄せ、懐に鎮める。


【人間如きが忌々しい】


花嫁が神を気に掛けると、神は愛おしそうに微笑んだ。


【邪魔をする奴は許さない】


花嫁の手を取り、男とは真逆の社に戻る。


哀れな男の背中を睨み、愛しい花嫁を引き連れて。


唇を釣り上げ、神は言う。



「彼女はもう、私のモノなのだから」







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あの子のお祝い 冬生まれ @snowbirthday

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