3

三度会った時、彼女は七つになっていた。


少し背が伸びた少女は、あの日と同じく手を引かれ、玉のような白い肌に赤い四つ身の姿で訪れる。


帯解【おびと】きの儀にて。


残る面影をそのままに、私を見つめて手を振る彼女。


未だに視えているのかと、手を振り返せば彼女ははにかみ微笑んだ。


それがどうしようもなく愛しくて……。


彼女の七つの祝に、卑しい気持ちをひた隠しにして成長の喜びを贈った。

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