第13話
なんとなく亜依ちゃんの質問を誤魔化す秀一郎さんは俺に声をかける。
「エイも、ご苦労様だったな。」
「まったく。亜依ちゃんを守ってんのは俺だろ。で?錬治さんとの話はついたのかよ。」
なんとなくぞんざいな台詞で秘密を暴露した。
「え、英斗さんっ!!」
普段冷静な金城さんが慌ててる。
秀一郎さん本人は…固まってるな。
案の定、亜依ちゃんはポカンと口を開けていた。
「なに?亜依ちゃん知らねえの。『龍牙』の後ろにいたの錬治さんだよ。」
俺の声に秀一郎さんは瞳を揺らし、亜依ちゃんは納得の表情になった。
隠し事はダメじゃん。夫婦なんだからさ。
途端に呆れた口調で秀一郎さんを宥める亜依ちゃん。『秀一郎以外は眼中にない。』みたいな。それでも。かつて錬治さんに亜依ちゃんが拐われた時みたいに嫌な予感がするという秀一郎さん。
くいくい!
シャツを引っ張る感触に下を見れば秀一郎さんの腕から降りた仔猫がいて
「なんだよ。」
しゃがみこむと、
「ロウ兄と亜依ちゃん…」
ああ。何を話してるのか聞きたいのか
「錬治さんが亜依ちゃんに気があるから秀一郎さんは心配なんだよ。」
ざっくり話すと
「錬ちゃんかぁイケメンさんだしね。
亜依ちゃんモテモテだね。」
納得してる仔猫。
「だから俺が守ってんだろ。」
胸を張ると仔猫はふん!と鼻を鳴らす。
「Aは駄目!亜依ちゃんにベタベタし過ぎ。」
それは仔猫の方だろ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます