第8話
「百合様っ。なになさってるんですか!お客様ですよ!」
ぜーぜーと息を切らして子猫の後ろから現れたのは品の良い乳母と言う感じの初老の女性。さしずめ子猫の教育係だな。気の毒に。こんだけやんちゃじゃ苦労は絶えまい。
「百合ちゃん、こんにちは。今日保育園は?」
亜依ちゃんに話しかけられた子猫はあっさり俺の髪を離すといそいそと亜依ちゃんに駆け寄った。
まったくボサボサになっちまったじゃねえかよ。
「亜依ちゃんが来るから今日は早く帰った!」
保育園をサボったらしいどや顔の子猫に亜依ちゃんの顔がひきつった。
「へ、へえ?」
まあ反応はそれしかないよな。
「まったく、いい加減我が儘を辞めないと亜依さんに嫌われますよ。」
乳母の後ろから現れたのはサラサラの黒髪に白い肌。俺と同じ年位の貴公子みたいな優男だった。ちらりと交わした視線でわかる。コイツとは合わない。
初老の女性は
桐生蒼生は俺をしばらく見つめ口角を上げる。挑発してんのか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます