第6話

「ありがとう。」


亜依ちゃんは嬉しそうに船橋さんに礼を言った。この『ありがとう』は、気を使ってくれてありがとう。のありがとうだな。

亜依ちゃんは優理花さんに憧れてたから本気で言われたのに気付いてない。てかお世辞だと思ってる。お礼を言われた船橋さんが戸惑ってるじゃん。

マジで亜依ちゃんは自分の容姿に鈍感だよな。


「はいはい、さっさと移動するよ。」


そんな亜依ちゃんの背中を押して部屋を出ようとした時、俺の視界に何かが入った。

真っ直ぐに突っ込んできた塊に


「うおっ!」


危ねえ!ぶつかったら怪我しちまう。亜依ちゃんを船橋さんのほうに突き飛ばし両手でそいつを捕まえる。

なんだ…これ?

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