第7話
「バイトの身だし雇用主に迷惑はかけたくないです。」
「雇用主って…、まあそうだけど。
でもバイト中のトラブルにはこっちに責任あるしね。」
「ふうん?」
三沢さんの話を聞く限りじゃ意外とキチンと対処してくれるみたい。
「じゃあ、遠慮なく何かあったら連絡します。」
私はスマホをかざし
「シャワーいただきますね。」
タオルを持ってシャワー室に向かった。洗濯とかも出来ると嬉しいんだけどさすがに図々しいからそこまでは望めない。
え?十分図々しいって。
…まあね。
遠慮してたら未成年女がひとりで生きては行けない。
ああ!別に私は天涯孤独な子供じゃないよ。他の子より少し年取った両親と15才離れた兄がいる。
私が物心付いた時から不良だった兄は家を出て居なかったし。
両親は私には必要以上構わなかった。食べさせてはくれた。でも腫れ物を触るみたいに接してきたから居心地悪くて仕方なかった。
多分お互いに。
で、まあ、他にも色々あって、
高3の春からアパートで独り暮らし中なのだ。
熱いシャワーを浴びて肩までの髪を洗い手早くドライヤーで乾かす。
簡単に化粧直ししてウィッグを着けて服を着て部屋に戻った。
ここに来るとき駅のトイレで身に付けるのは榛原高校という地元じゃ有名な私立高校のセーラー服。
私は県立校生だから本当はブレザー。
スカート丈だってこんなに短くはない。何でこの制服を着るのかと言えば与えられた制服だから。
ファミレスの制服みたいな感覚で着てる。ちなみにこれを着る理由は聞かされてない。色々高い時給に含まれてるんだろうと思う。
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