第5話
コンコン!
遠慮勝ちなノックに
「どうぞ。」
答えて椅子から立ち上がる。
「アヤさん。総長はシャワーですか?」
入って来たのは参謀の三沢さん。
何とか隊長とか役職はあるみたいだけど三沢さんで通している。
黒髪にサイドに青のメッシュ。青のピアスを着けてるけど軽い感じには見えない。175センチ位。細身で華奢。頭脳派の切れ者はお喋りだ。
現在高3の彼は私と同じ年。総長さんより一才年上らしいけど。見た目総長さんのが上に見えるのは多分彼が無口だからだ。
「今日は平和に起きたようですね。
アヤさんが起こしてくれるようになって総長も寝起きがよくて助かってます。」
ニコニコとしらじらしい。
起きるまで危険だから近付かない癖に。私は体のいい人身御供だ。
アルバイトを雇う目的はこの為ったりして。三沢さんをジロリと睨むと
「美人は睨んでも綺麗ですよ。
化粧でまったく別人ですが美人は美人にしかならないですね。」
三沢さんはべらべらとおべんちゃらを並べる。
「航に何か?」
「いえ。総長ではなく貴女に警告です。アヤさんの事がかなり話題になってます。そろそろ身辺にご用心を。
スマホはちゃんと充電しておいて下さいね。」
「大丈夫。満タンだし。」
2ヶ月前に渡されたスマホを放置してたら電池残量が10%になってて怒られたのはつい一昨日。自分の持ってるし暴走族専用のスマホなんて使わないから放置してた。
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