第2話
静かに食事を終え
そっと後ろのベッドの様子を伺う。
もともと机のライトしか点けては無いし衝立で光は遮られてるからベッドの周りは薄暗い。
それでもいくら静かにしてるとはいえよく他人のいる空間で眠れるものだ。
『さすが暴走族の総長様ともなると神経が図太い。』
しかも最近知ったのだが彼はなんとか言う組の跡取り息子らしい。
時給5千円とか言うべらぼうなバイトは彼の恋人の振りをする事で。
エッチするわけでも無いのになんでそんなに時給がいいのかと言えば
組の関係者や族の関係者から狙われる危険込み。と言う理由だかららしい。
こんなに高い時給を払わなくても彼なら恋人の振りしてくれる人に不自由しないだろう。モテそうなのになぁ。
なんでバイトなんか雇ってるのかまったく分かんない。
『ま、私はいいバイト先だし有難いんだけど。』
今の所危ない目には合ってないしバイトをはじめて二ヶ月目。
もうすぐ二度目のお給料が入ると思うと頬が緩む。
あ!ご飯食べたし口紅直さなきゃ。
私は鞄から化粧ポーチを出して試供品でもらった口紅を引く。
濃いオレンジの口紅は好きじゃないけど元の顔が分からないくらい化粧してるからなぁ…ま、仕方ない。
金髪のウィッグも、化粧も、危ない目に合わないための自衛策だ。
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