偽 × 婚

 永歌 レイ

彼氏の浮気


 犬見 「 せーんぱい、今日もかっこいいですっ! 」

 

 栗正 「 お前も 〝 世界一 〟可愛いよ、 」



彼氏と後輩がイチャイチャしているのを見てわたしはどのような表情だったか?


  怒り? 哀れみ? 悲しみ?


そんなの知らない。只々、今すぐになぜ彼女が居るにも関わらず

後輩といたのか、問いたいだけ。


 『 あはは … 』


でもこんな事実を認めたくなくて、悔しい自分がいた。





***




6時限目のチャイムが鳴る。皆疲れたーと言いながら帰ってゆく。


でもわたしには疲れたなんて言葉を発しても疲れてるようには思えなかった。


永宮  「 誰かこれからカラオケ行ける人いる〜? 」


そしてこのダル重雰囲気をぶち破ったのがこのクラスの中心人物の永宮だった。


 

 「 オレこの後空いてる〜! 」

 「 わたしもカラオケ行く〜! 」



クラスから人が引っこ抜かれていく。



永宮  「 で、芦田はカラオケ行かねぇの? 」



  何故わたし??



『 他の人あたってよ、しかも陽キャの集まりなんて尚更ごめんだよ。 」



永宮  「 ちぇっーノリ悪りぃーの、今度来いよカラオケ 」




  ***



栗正  「 あー香澄遅いよ、ずっと待ってたんだよー会いたかったー 」



  会いたかった、なんて嘘ついて。


栗正  「 あ、そういえばさ、うちまた食費が無くなっちゃってさ、 」

栗正  「 これ、くれない? 」



  そうして彼は指でコインの形を作り申し訳なさそうに言った。


栗正  「 ありがと香澄、やっぱり香澄が〝 世界一 〟だね! 」


 

   彼はヒモ男。でもこの栗正の笑顔がたまらなく愛しい。


 『 だから辞められないの 』



   彼がいないとわたし無理だ。


 彼に沼って沼って堕ちてゆく。アナタが大好き。


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