第2話 (3)

 無事に終わった。

 膿も出ない。

 子種の臭いもおかしくない。

 竿にしこりや痣も無い。

 極めて正常な男性器だろう。

 俺は熱を逃がすように息を吐いた。

 頭を冷やせ。

 相手は神様になるのだ、宮司の自分が当てられてはいけない。

 しかし、問題が無くて良かった。これならば処分せずに済む。

 やっと全て出し切り、冷めかけた湯で再度木綿を絞り丁寧にそこを拭いた。

 稀人神様はもう抵抗はせず、くたりと横たわったまま、俺を怯えた目で見るばかりだった。

「……これもお役目です。どうかご容赦を」

 自分のものが少し張り詰めているのを何とか無視して、最後に、射精の余韻に真っ赤になっている身体をしっかりと確認した。背中を見るのにころんと転がす。大丈夫。何の痕も無い。

 このは病を持っていない。稀流人神に相応しい。

 ああ良かった。これで、河に流さないで済む。

「……布団を引きましょう、昼食はここにありますので、起きたらお召下さい。後でまた参ります」

 俺達の大切な生き神様は虚ろな目でそれを聞いていて、まもなく布団に横たえると、疲れたのだろう、直ぐに眠ってしまった。 


 

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