Q1. あなたはどのような特徴をもつ職場で働きたいですか?

■ ざっくりのまとめ ■

・【お互いが助け合う】が10年連続ダントツの1位!

・次点が【遠慮せずに意見を言いあえる】【お互いに個性を尊重する】【アットホーム】の3つ

・やや低いのが【活気がある】【皆が1つの目標を共有している】の2つ

・常に低いのが【お互いに鍛え合う】【ルール・決め事が明確】の2つ



Q1. あなたはどのような特徴をもつ職場で働きたいですか?

 (3つまで回答可能)


 ※2015年は正確なデータが確認できなかったためスキップ


 新人はどのような特徴をもつ職場で働きたいと考えているか?

 不動の1位は【お互いが助け合う】で、この十年間、52.7%(2014年)~69.7%(2022年)と過半数の人に支持され続けていました。

 2~4位も【遠慮せずに意見を言いあえる】【お互いに個性を尊重する】【アットホーム】と、人間関係を重視したものが上がっています。近年「アットホーム」という言葉は、「他に魅力がない職場が挙げる特徴」となどど揶揄されることもありやや順位を落としていますが、それでも中堅以上の順位を維持しています。


 対してこの10年間、ずっと低迷しているのが【お互いに鍛え合う】【ルール・決め事が明確】の2つ。常に20%未満にとどまっています。

 中にはこの「競争」と「ルールの明確化」が働きやすく成長する企業の特徴だと、うたっているマネジメント会社がいますが。少なくとも今の20代は、「競争」「ルール」より、もっと職場に優先してほしいことがあると考えている人が圧倒的に多いようです。


 もっとも「競争をなくせばいい」という単純な問題ではないのは序章でも触れたとおりです。

 しかし、同僚間の【競争】や【ルール】を強調しすぎると今の20代からは敬遠され、離職や人材難の原因になりうることは留意したほうが良いのではないでしょうか。


 また、マネジメント法といえば、社是や企業理念を重視するものも散見されますが、これについても【皆が1つの目標を共有している】が25.9%と中堅のやや下の順位であり、ピンくる20代は少ないかもしれません。



■ キーワード「心理的安全性」■

 この集計結果を見て思い浮かんだのが「心理的安全性」というワードです。

 近年注目を浴びているこのワードですが、組織行動学者のエドモンドソン氏が1999年に提唱した概念で「組織の中で、自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態(罰せられない状態)」を指すそうです。

 2016年にGoogleが「生産性が高いチームはこの心理的安全性が高い」との研究結果を出したことから、広く認知されるようになりました。


 今回の「職場に求める特徴」という質問で上位にきている、【お互いに個性を尊重】しつつも、【遠慮せずに意見を言いあえる】環境こそ、まさに「心理的安全性」の条件に合致しているのではないでしょうか。

 しかもそれは、【お互いが助け合う】が上位に、【お互いに鍛え合う】が下位にきていることから、ディベートのように勝者・敗者を決めるような衝突ではなく、相手の立場や才能を尊重しながら広く意見を求める――【3人集まれば文殊の知恵】的な文脈を理想としているような気がしました。

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