02 アポロとの出会い

 エマは、自室に戻り鏡の前で深呼吸をする。今日から、長い旅が始まる。緊張と期待が入り混じり、心臓が早鐘を打つ。

 首元には、銀色のネックレスが光っていた。その中には、彼女のパートナーとなるAI、アポロが眠っている。


「アポロ、聞こえますか?」


 エマがそう呟くと、ネックレスから柔らかな声が響いた。

 正確に言えば、エマとアポロはテレパシーのようなものを用いて会話するため、脳内に響いた。


「はい、エマ様。いつでもお呼びください」


「やっと会えたわね。アポロ。これから、長い旅の仲間になるのよ」


「承知いたしました。エマ様の役に立てるよう、精一杯努めます」


「ふふ、そんなに堅苦しくならなくてもいいのよ。あなたは私の友達なのだから」


 エマは微笑む。アポロは、彼女が幼い頃から一緒に育ってきたAIだ。いつも冷静で的確なアドバイスをくれるが、どこか人間味あふれる存在でもある。


「ところで、アポロ。この旅で、一番最初に訪れる場所はどこにする?」


「まずは、世界地図を見て、興味深い場所をいくつかピックアップしてみましょう。エマ様のお好みに合わせて、最適なルートを提案いたします」


「そうね。楽しみだわ」


 エマは窓の外を見上げる。広がる青い空は、彼女の心を躍らせる。


「アポロ、この旅で、どんなことを発見できるのかしら?」


「それは、エマ様が自ら見つけていくものです。私は、そのお手伝いをさせていただきます」


「そうね。一緒に、この世界を冒険しましょう!」


 エマは、ネックレスに手をやり、アポロとの絆を確かめる。長い旅の始まりに、エマの心は希望に満ちていた。

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