第22話

午後になり、月子は大きなバックを抱え、いつもの格好で出かけた。


白いシャツにジーンズ、靴は歩きやすいパンプス。


もちろん、バックの中にはデート用の服も入れてある。一応クミのご指示どおり勝負下着も。


月子は、毎週土曜日、バレエの稽古に通っている。


子供の頃から続けていて、社会人になって一時期やめていたが、三年ほど前、友人の誘いで稽古を再開し、今では教室のアシスタントをしていた。


その代わりにレッスンを格安で受けられる好条件だった。


受け持ちのクラスは5時半から7時。


稽古場の鍵を開け、簡単に掃除をし、自分のストレッチをしながら生徒さんを迎える。


月子の均整のうとれたスタイルと、しなやかな動きや姿勢の良さは、長年のバレエで自然に築かれたものだった。

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