風になる
第3話
月子はもともと、そんなにバイクに興味があった訳ではなかった。
以前、周りの友人達がバイクに乗り出した時期には全く気にもとめず、普通自動車を愛用していた。
それから数年経ち、家の近所にたまたま教習所がオープンし、なぜかポストのチラシに目がとまり、入学割引クーポンがついていたのもあって、興味本位で見学にいったのが入校のきっかけになった。
教習所の無料バスに乗り、見学を終えると入学手続きを終えていた。
自分でも、今になって・・・まさかバイクに乗る事になるとは思ってもみなかったが、教習所に通い始めるとすぐにバイクの魅力にハマってしまった。
受講者の大半は自分と同じ年齢か、もしくはそれ以上の年代のかたも沢山いたし、のんびりと習い事感覚でやる気になってしまった。
月子は身長163㎝でわりと細身だったが、腕力には自信があったし運動神経もそれほど悪くないんじゃないかな・・・と自分では思っていた。
次の日から時間のある限り教習に通い、ふた月ほどで中型免許を取った。
更に、ついでだからと、引きつづき大型教習に進んだ。
梅雨の中でも練習に通い夢中になっていた。
中型バイクで操作にはだいぶ慣れていたが、さすがに大型バイクは重量があり、転倒時などは少々手こずったが無事に卒業できた。
晴れて免許を取ったのは夏も盛りの8月。
すぐに目当ての大型バイクを購入し、少しずつではあるが徐々に距離をのばしていった。
あれから一年。
とうとう念願だった夜の高速道路を走っている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます