第12話 オアシスにて
『マスター、着きましたよ。』
「ん、もうちょっと」
白邪と零に撫でて貰っている、気持ちいい。
「はい!終わり!行くよ!」
「…もう終わり?」
「終わり、もう落ち着いたでしょ、大体…初対面でしょ。」
「…はーい」
「…妹みたい。」
「ん?妹が居るのか?」
ドアを開けながら質問してみる。
ガチャ
「ええ、もう死んだけどね。」
「そっか…とりあえず行こう。」
「テスター!テスター!」
『何ですか?』
「でっかいお城作っていい?」
『ええ、いいですよ、気を付けて作ってくださいね。』
「わーい!」
「…俺なんかより白邪の方が妹っぽいけどな。」
「…そうね。」
「…さて!まずは拠点作りだ!」
「おー」
「…って言ってもどうしようかな。」
『マスター、近くに森林がありました。』
「ん?砂漠に森林?」
『ええ、砂に生えていました。』
「…何で?」
『知りません、異世界だからじゃないですか?』
「異世界だからかあ…所で、どうやって切るんだ?どうやって運ぶんだ?」
『切るのは鎌鼬で良いでしょう、運ぶのは担いで行けば良いでしょう。』
「担いでって…あっ」
「どうしたの?」
「白邪~!」
「何じゃ?」
「元の姿に戻れない?」
「元の姿?」
「ああ!戻れるぞ!」
そう言うと前の白蛇の姿になった。
「…!?」
零が驚いている、そらそうだ。
「んで?その森はどこにあるんだ?」
『そうですね、では分かりやすい方法で行きましょうか。』
「分かりやすい方法?」
『ええ、見ててください。』
「って、どこ観ればいいの?」
『そのままで良いですよ。』
「はーい」
直後、目の前に女性が出てきた。
「うわあ!?」
「おっと、スポーンする場所をミスしてしまいました、すみません、マスター。」
「んまあいいんだけどさ、本当にテスター?」
「可愛いね、テスター。」
「可愛いのじゃ!まあ儂も可愛いが。」
「というかマスターには一回見せたはずですが…」
「…そういやそうだな。」
「そろそろ行くぞ!早くお城作りの続きをやりたいのじゃ!」
「はいはい、んじゃ、行きますか、テスター先頭ね」
「分かりました。」
◇◆◇
「ここか。」
「ええ、ここです。」
確かに砂漠に木が生えている。木は…見たこともない木だった。
「なんだ…?この木。」
「分かりません…元居た世界にはありませんでした。強いて言うなら葉っぱがマングローブにちょっと似てますね。」
「…運ぶか!って言っても斧がないな。」
「…ねえ」
「ん?どうした?」
「さっきステータスを確認したら〔万物創造〕っていう神話魔法があったんだけどさ、これでチェーンソー作れない?」
「…えっ、強っ、一応効果聞いていい?」
「毎日一個だけ好きな物を想像できるって言う効果。」
「ほぼ私の上位互換ですね」
「強すぎん?戦闘機とか核爆弾とか作れるんだよね?強すぎん?」
「…とりあえず、チェーンソー作るね。」
「はーい、んじゃあ切ったやつ白邪が運んでね。」
「ん、分かった。……万物創造!」
そう言って、手をかざすと、チェーンソーが出てきた。
◆◇◆
とりあえず、目に見える木は全て切り、今白邪が運んでいる。
途中で何度か魔物が出てきたが、全て破壊した。
「そういや、これ何だ?」
綺麗な赤色の石を差し出す。魔物から出たものだ。
「これは…魔石ですね、かなりレアな物です。」
「ちなみに何円くらい?」
「マスター、こっちの世界では〔リーン〕ですよ。」
「あ、そっか。」
「リーン?」
「ああ、知らないのか。1リーンは1円と解釈して貰っていい。」
「大体…この大きさだと102万リーンですかね。」
「…一つで?」
「ええ、34個あるので……3468万リーンですね、ここは魔石が出やすい所らしいです。」
「リーン稼ぎにちょうど良いか……いっぱい狩ってみない?」
「良いですね、ですがとりあえず拠点を建てましょう、これだけ木があれば作れます。」
「よし!歩くか!」
「歩きたくない~」
◆◇◆
「さて、どうやって作るんだ?テスター。」
「はい、私が指揮します。ですのでそれに従って作ってください。」
「「はーい」」
◆◇◆
かなり時間が経った、もう腹が減った。
「その木材を固定したら完成です!頑張ってください!」
「頑張って!白邪!」
「こ…こうじゃな!?」
カン!
「…これで終わりです、ご飯…そうか、無いんですね。」
「…そうだ!」
「ん?どうした?」
「万物創造で牛のステーキを作れないか?すごくデカいやつ。」
「おっ!いいね!出来るかな?」
「待ってて!残っている木でお皿作って来る!」
「分かった!」
◆◇◆
「出来た!」
かなり大きい板を二人の前に置く。
「やってみて!」
零が頷き、板に手をかざす、「万物創造!」と叫ぶ、するとかなり大きいステーキが出てきた。
「…やった!」
「儂!お腹が空いたぞ!」
「よし!皆で食べるぞ!!」
木で作ったナイフとフォークでステーキを食べる。
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