未知の大陸
第10話 風のように
「…そっかあ」
「…どうしよう」
森にただ二人…とAI。
『それなら未知の大陸に行きませんか?』
「うわあ!?」
『どうも、白邪さん、私はテスターという者です、よろしくお願いしますね。』
「あ…ああ!よろしくじゃ!」
『ええ、よろしくお願いします』
「で?その未知の大陸ってのはどうやって行けるんだ?」
『行けません。』
「…はぁ?」
『今の所、船が出ていません、なので、行けません。ですが…』
「ですが?」
『私が居ます。』
「ああ、そういう事ね。」
「どういう事じゃ?」
「んじゃ、海に行くか!」
「あ…ああ!分かったぞい!」
◆◇◆
「着いたー!」
「海じゃー!」
「んじゃ、テスターよろしく~」
『分かりました、燃料は貴方の魔力なので魔法は使わないで下さいね。』
「了解~」
「レン~!」
遠くから白邪が話しかけてくる。
「泳いでもいいか~!?」
「いいぞ~!」
「わーい!」
「…ふふっ」
今の彼女は正に子供のようだ、思わず笑ってしまった。
「はぁ…疲れた。」
色々あったせいで真昼なのに一気に眠気が襲ってくる。
「あ゛ー疲れた、寝よっ。」
砂浜に横たわり、寝た。
◆◇◆
『起きてくださーい』「起きろー!」
「んあ?」
「ようやく起きた、遅いぞ!」
「んああ、ごめんごめん、で?できた?」
『ええ、準備は終わりました。』
「よし!白邪!ついて来い!」
「はーい」
海岸へと歩く。
「白邪は泳げるよな?」
「勿論!儂を誰だと思っている!」
「んじゃ、泳ぐぞ。」
海の中へ入り、泳ぐ。
◆◇◆
「はぁ…はぁ…」
「…まだか?」
「そうだな、ここら辺にしよう。テスター!」
『はい、では出します。
すると目の前に零式水上偵察機が現れた。
『乗ってください。』
「…
白邪を抱えて飛ぶ。
「はい、白邪はここ。」
「…なにこれ。」
「異世界の乗り物」
「?????」
「まあ、後で説明してやるよ。」
「わ…分かった。」
『マスター、一応聞きます、操縦出来ますか?』
「…勿論!」
『…分かりました。』
「さてと」
操縦席に乗り込む。
「エンジン始動!」
ブロロロロロロ!
「うおっ!なんじゃなんじゃ!」
「…これで良いよな?」
『合ってますよ、マスター。』
「了解!」
速度計がどんどん上がってくる。
『時速120km位で操縦桿を引いてください。』
「はーい」
速度計の針が120を超えた。
「ここかな?」
『そうです』
「おー!早い早い!」
白邪が喜んでいる。
「…離水成功?」
『凄いですね、マスター、離水成功です。』
「よし!…それで?その未知の大陸ってのはどの方向だ?」
「えっと…方向はそのままでいいです。5度で上昇してください。」
「了解。」
「レン!儂!飛んでる!」
「…そうだな。」
「レン。」
「…異世界の事だな?」
「そうじゃ。」
「…俺は元々、こことは違う世界で暗殺や傭兵をしていた。だが、ある時死んでしまった。」
「…」
「そこで神と出会った、神は俺を王子様に転生させた、そこから色々あってこうなった」
「…成程。」
「別に俺は元々いた世界に行きたいとか、そういうのは無い。…未練は有るが…だが!俺はこの世界が好きだ!。」
「…そうか。」
「まあそんな所だ。話は終わり、ここから5時間位掛かるらしい。」
「んじゃ、寝てるぞ…おやすみ。」
「ああ、おやすみ。」
そう言うと彼女は寝た。
「…もう寝たのか。早いな」
疲れが溜まっていたのだろう、さっき水遊びしてたし。
『テスター…居るか?』
『はい、居ますよ。』
『レベルアップって何だ?』
『…まずレベルという物から話します、レベルとはスキルを強化するポイントの事です。』
『スキル…身体強化の事か。』
『身体強化もありますがその他にもあります、私が持っている物だと…〔梟の狩り〕というスキルがあります。』
『それの効果は?』
『視力を凄く上げます。』
『なんか…しょぼい』
『しかも結構酔います。』
『うわあ…』
『1レベルアップにつき10ポイント手に入ります。』
『とりあえずやってみたいだが。』
『ツリーを開いてください、上の方に〔スキル〕という所があるはずです。』
「ツリー」
白邪を起こさないように小さい声で言う。
『これか?』
『それです、触ってください。』
『はい』
するとスキルのツリーが出てきた。
『スキルのツリーは魔法とは違います、ここら辺は難しいのでちゃんと聞いていてくださいね。』
『はーい』
『まず、魔法とスキルの違いについて、スキルは身体や技を強化するのに対し、魔法は魔力を使い原理不明の力を使う物です。』
『ふむふむ』
『次にスキルのツリーの進め方についてです、スキルは基本的に作るものです、作って見ます?』
『いや、今はいいや。』
(長そうだし。)
『んじゃ、私も寝ます、おやすみなさい。』
『ああ、おやすみなさい。』
◇◆◇
「おーい!お前ら!」
「なんじゃぁ?」『何ですかぁ?』
「見えたぞ!あれが未知の大陸だな!?」
ひたすらに大きい砂漠が見える。
『そうみたいですね、とりあえずオアシスを探して下さい。』
「これが…!未知の大陸…!」
白邪の目が輝いている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます