第106話

「……あなた、私のものになりなさい」


「………」





ならせていただきます。

ぜひっ!あなたの奴隷にっ…!!







………………。















………なれないんですよぉぉぉぉぉぉぉぉ(泣)









……なんて言えないので、俺は表情を崩さずじっと見つめ返す。



悪魔は、俺に触れていた指を離した。

そのままゆっくりと、俺の服のボタンの付け根に鋭い爪を立て、弾(はじ)いていく。

それと同時に、俺の理性も弾ける。




ねぇ、神様。

俺、あなたに196375273495137年前から使えてますけど、そりゃあもう人間が生まれるどころか、世界なんてものができる遥か以前からあなたに使えてきましたとも。



でもですねぇ。




無理。



無理です。



こりゃあ無理ですよ。






だってさ、だってさ。


目の前に、いまだかつて出会ったことがないほどのドストライクウーマンがいるんですよ。


お前はもうすこし恋をしろとか、愛を知れとか俺に説教散々したじゃないですか。


だから許してくださいよぉ〜?




そう。

これは神様。

あなたのせいだッ!


あなたが俺に恋愛しろってしつこく言ったせいでこうなってるんだ!




よって、俺は悪くない。




全てはあなたの教育のせい。





ふっはっはっはっはっ…はぁぁぁぁ………

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