第105話

「………ねぇ」




はいぃぃぃっ!!!!

何でしょうかぁぁぁぁ⁉︎



俺でよければなんでも致(いた)しま……せん。

はい、そんなことはできません。




己を律しながら、俺はなるべく、面倒だから早く要件を言え、というような顔を作った。



悪魔は俺をじっと眺めた後、ゆっくりと近寄ってくる。





……や、…やめろぉぉぉ!!!

俺の努力を無駄にする気か⁉︎

ここまで必死に耐えている…というか、拘束されて何もできない今近寄るって、生殺しかよ⁉︎




「あなた、…」


「…………」




スルリ、と悪魔が俺の首筋を指でなぞる。

それからその指を鎖骨に滑らせ、胸の方まで

ツーッと滑らせた。




もう言わなくてもわかるだろう。

これぞ、ザ・生殺し。

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