第104話
…………………。
はい。
俺の人生終了。
もうー無理。絶対無理。どうしたって無理。
……………。
声、めっちゃ綺麗なんですけどぉぉぉぉぉ⁉︎⁉︎
なにこれ。
もうさ、全身火傷で悪夢見続けて、もう殺してくれってくらい苦しんでる人でさえ安(やす)らかな顔になれるくらい綺麗な声なんだけど。
反則すぎだろ。
つーか、泣いてるせいで声が震えてて、めちゃくちゃ煽(あお)られるんだけど。
うわー。ズリィーわ。
めっちゃ啼(な)かせ…………
………………。
い、や……いやいやいやいやぁぁ!!!
俺は何も思ってない。
そう、何も考えていない。
無心だ。
無心。
心は乱れていても、まだ顔は一ミリも乱していない。
さすが俺。
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