第90話

そうとう嬉しかったらしく、長谷川はいまだに泣いている。





さっきまで必死に笑顔を作っていたのに、今は自然な笑顔だった。






思わず手を伸ばした。





窓から入ってくるオレンジ色の夕日が、彼女の笑顔に似合っている。












長谷川の頰に片手を当て、親指で涙を拭った。












すると、長谷川は驚いたように目を丸くした。



それから、



ふわりと、微笑んだ。

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