第78話

もうすぐ昇降口というところで、また空き教室に明かりがついていた。


もう昨日のようなことはないだろうとわかっていながらも、気になってドアに近づく。









ーーーーそんな苦しいなら、忘れちまえば?


ーーーーうん。そうだね。でもいいの


ーーーーよくねぇだろ。あー、俺が泣きたいわ


ーーーーえー。そんなに泣き虫だったっけ?


ーーーー知らなかったのかよ?俺は世界一涙もろい男だぜ?


ーーーーふふっ。そっかそっか


ーーーー…もう、笑うならちゃんと笑えよ










なんとなく長谷川がいるような気はしていたが、もう1人いるようだった。


それなら入らない方がいいか。




聞こえてくる会話はかなり仲の良さそうな感じだ。

もしかすると彼氏なのかもしれない。



彼女は今日かなり勇気を出して行動していたし、恋人に縋りたくもなるだろう。

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