第67話

「おい!何やってんだよ!」




人だかりをかきわけ、章弘が俺の前にきた。






「こいつが何したって言うんだ!」



「お前のような問題児が、記憶のない黎夜君を好きかって変えてしまったんじゃないのか?」



「はぁ?何で俺の日頃の行いがこいつに影響するんだよ」



「最近黎夜君に絡んでいるそうじゃないか。

…そういうのはやめなさい」



「ふざけるな!

記憶のない黎夜に、好きかって言ってんのはあんたらだろ!」








章弘が怒鳴り始め、教師と口論を始めた。


でも、こちら側の立場がどうしたって覆せないのは明白なのだ。




教室を覗き込む観衆も、騒ぎを聞きつけて集まってくる教師も。


誰もが"ない者"より"ある者"に肩入れするのだ。

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