第66話

教室中の人が、和香奈が、

喚き、怒鳴り散らす。



教師は俺を諭そうとし、

教室の外ではまるで見物人のように人だかりができていた。







あぁ、気持ち悪い。吐き気がする。



帰りたい。











………どこに?














俺の帰る場所なんて、どこにあるんだ?















もう、限界だ。


耐えきれない。













世界から色が消えていく。


暑いも寒いも、

苦しいもつらいも、


全て消えていく。











それはすうっと、

そうなるのが自然であるかのように、


あっさりと、消えていく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る