第65話

📖






「黎夜君!かーえろ!」



「無理」



「えっ!何で!だって、おばさんに聞いたよ!

弟の迎えなんて行ってないって!」



「……………」










思わずため息をついてしまった。


そのせいで和香奈のヒステリックさも増す。

そして、和香奈への同情の瞳も。







「ねぇ!何で何も言わないの!黎夜!」



「……………」



「どうして…どうして⁉︎

黎夜が私に告白してくれたのに!

好きだって!何があってもずっと一緒にいてくれるって!

だから、安心しろって…言ってくれたのに!」



「………………」









うわぁ、何あれ。

惚れた女放置かよ。

しかも告ったの浜崎から?無責任じゃね?


ほんと、記憶ないならもっと周りに合わせくれなきゃさ、空気最悪だよね














ガヤガヤと騒ぎ出す教室。

騒ぎを聞きつけた教師も入ってくる。



泣き出す和香奈に、人はみんな優しい。

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