第63話

ボタンが飛んだブラウスに、教室の端の方まで投げ捨てられたカーディガン。


肩紐が切られたブラジャーとパンツ、靴下は床に散乱している。






女は、ボロボロなブラウスとスカートしか身につけていなかった。









とりあえず自分が着ていたカーディガンを脱ぎ、女に触れないようにして肩にかけてやった。





そこで、女が顔を上げる。










「あ…。あり、がとう、浜崎君」



「……………あぁ。あんた、章弘がほーちゃんって呼んでたやつか」



「あっ、うん。私、……私、……」







名乗ろうとしたらしいのに、女が名乗るのをやめた。


そのまま俯く。

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