第62話

後先何も考えずにその教室のドアを強引に開けた。

これじゃ章弘と変わんねぇな、と思いつつ。




バンッ!より、ガンッ!に近い音で、ドアが外れて内側に倒れた。







中にいたらしい5人が、驚愕の眼差しをこちらに向ける。












「…………お前ら、何してんの?」



「………っ…」








4人の男女が急いでその場から走り去って行く。



3人は男だったらしく、もたもたと服を着なおしたから走り去っていった。











残ったのは、女1人。














「…………あんた、大丈夫?」



「ぁ……大丈夫、だよ。…ありがとう」



「…………別に」









そのまま立ち去ろうとしたところで、ふと思い出した。



この女、どこかで見たな。








振り返り、もう一度女を見た。


女は、びくりと肩を震わせる。

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