第56話

「……何してたんだ?」



「んー。停学中の補習受けてた」



「あぁ…。

ってか、何して停学になったんだよ」



「あっ、……いや、それは…」



「…………?」








章弘が珍しく言い淀んだ。


言いにくいことなのだろう。

それなら無理に聞き出すのはやめたほうがいいか。







「……ま、そんなお前のことだし、どうせ後先考えずに突っ込んでやらかしたんだろ」



「え?なんでわかったんだ⁉︎」



「は?本気かよ」



「いやぁ〜、あまりにも頭にきてな?

ちっちゃい子供強姦しようとしてるオッサンたちいてさぁ〜」



「…………」



「………気づけば、全員フルボッコな上に子供逃げてたんだわ…」



「……………そりゃ、お前が悪いな」



「だよなー」









章弘はケラケラと笑った。


自分のことなのに、よく笑えるものだ。








あいかわらずのバカだな。

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