第41話
「毎日こんな生活してて、よく学年トップなんて取れるな」
「みんなおバカさんなんだよ〜」
「………全国模試は?」
「さぁ〜?お金払えないから受けてない〜」
「マジかよ。
まだ高2だっつっても、進路考えねぇとマズいんじゃねぇの?」
「進路〜?就職〜?
私、どうなるんだろうね〜?」
「は?」
もとより、私の養育費も何もかも払ったりしない人たちしかいないのだ。
バイトはダメって言われるし、部活もダメって言われるし、勉強道具も買ってもらってはいない。
ゴミ箱を漁り、まだ使えそうなペンやノートの切れ端を使っているだけで、私は何も持ってなどいない。
教科書も、図書室からこっそり持ち出したものを使っているだけだ。
もちろん書き込みはできない。
「…………ホント、どんな勉強してるわけ?」
「お勉強っていうお勉強してる〜」
「はぁ…。話し通じねぇし」
太郎が呆れたようにため息をつく。
私の手を掴む太郎は、もうすでにずぶ濡れだ。
濡れたい気分だったのだろうか。
変わった人だ。
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