第38話

「………どこま、でも、行こう…

道は、苦しくとも…」






次第に強くなってくる雨足が、全身を叩きつけてくる。



もとからビショビショだった体が、ずぶ濡れにのるのもそう遅くはなかった。






「………君の、面影、胸に…

風を、受けて、行こう……」








わー、雨だー!と騒ぐ声。

どうしよう!傘持ってきてない!と焦る声。


これ好機と好きな人にアタックする男女。







「どこま、でも、いこ…

道が、……なくなっても…」









ガチャリ、と音がした。



それと同時に、この雨の中踏み出してくる、ビチャッという足音も。









「あたら、しい、道が、あ、る…

この、丘の、む…こ………に…」

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