第37話
☆
「どこま〜でも、行こう〜
道は〜、険しくとも〜」
どんよりと曇った空。
ほんの少し肌寒い風。
濡れた体に、切られたバラバラの髪。
「幸〜せ〜が〜、待〜って〜い〜る〜」
髪を切られたまま勢いで切られた頰。
殴られて切れた口の中。
締められてアザになった首。
捻挫で膨れ上がった足首。
「あのそ〜らの向こ〜うに〜」
ポツリ、ポツリ
雨が降り出した。
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