第37話






「どこま〜でも、行こう〜

道は〜、険しくとも〜」






どんよりと曇った空。

ほんの少し肌寒い風。


濡れた体に、切られたバラバラの髪。








「幸〜せ〜が〜、待〜って〜い〜る〜」








髪を切られたまま勢いで切られた頰。

殴られて切れた口の中。


締められてアザになった首。

捻挫で膨れ上がった足首。







「あのそ〜らの向こ〜うに〜」









ポツリ、ポツリ







雨が降り出した。

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