第36話






「うーん?」




もふもふしてる。







うっすらと目を開けると、目の前には天井。





ゆっくりと起き上がれば、ここが保健室だということがわかった。







「ん〜」




グッと伸びをし、ふわぁ〜とあくびをする。

ふと時計を見ると、19時を示していた。





「………帰ろ」





近くにカバンが置いてあったので、それを掴んで帰路につく。





夏の夜は、まだまだ明るい。



カバンをブンブン回し、るんるんと歌を歌った。






「どこま〜でも、行こう〜

道は〜、厳しくとも〜」







かーかー、と烏がなく。

そう鳴きながら、愛しい我が子の元へ帰るのだ。







「くちぶ〜え〜を、吹きな〜が〜ら〜」








いつもの帰り道。




見慣れた街。

見慣れた通学路。

見慣れた看板。

見慣れた店。








「走〜って行〜こ〜う〜」












るんるん、るんるん。














その日私は、家にいた男3人と、兄、

兄の友達2人の相手をした。

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