第35話






「んー………ん?」


「起きた?盗み聞きさん?」


「んー……誰〜?ですか〜?」


「田中太郎」


「太郎さんですね〜」


「………いや、疑えよ」









寒さで目を覚ますと、目の前には綺麗な男がいた。

ネクタイを外し、第2ボタンまで外しているせいで、首元から胸板までが見えていた。




どうやら、ドアの前でいかがしたことをしていた人物であるようだ。







「太郎さん〜、何してるんですか〜?」


「見てわかんない?」


「うーん…わかんない?」


「なんで疑問で返すの」








はだけたブラウスに、外されたブラジャー。

脱がされているパンツに、もはや何の意味もなくなっているスカート。



手首は、私がつけていたネクタイでしっかり縛られ、男のつけていたらしいネクタイでそれをドアノブに固定されている。






意外にきつく縛られているらしく、痛い。






そして何より、下半身が繋がっている。







「お盛んですね〜」


「…………状況わかってて言ってんの?」


「まだ終わらないなら、

もう少し寝ま…す……ね…………」


「は?」








今日は、もうすでに先輩2人と同級生3人の相手をした。

そして帰れば兄がいるのだ。



今更人数が増えたところで、何も変わりはしない。






それならば、この疲れた体を休める方が絶対に有効な時間を過ごせるに違いない。






目を閉じ、再び微睡(まどろ)みの中に身を投じる。











疲れたなぁ…

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