第18話

「この前会った時に、学生証机に置いてあったから名前は知ってたし」



えー?なになに?あれから会ってたのかよー。ヤった?どうだったー?

そんな会話がされている。



ーーーふわり


柑橘系の香りがした。

暖かい腕が私の肩を抱いている。



「別に。俺が勝手に好きなだけだから。名前も、ゆかりが名前はゆかりって言ったからそれでいい」



ゲラゲラと笑っていた男たちが初めて黙った。



「ほ、ほれ、??」



あんぐりと口を開け、ぽかんとしている。



「いこ」



彼は、私の肩を抱いたまま、歩き出した。

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