第15話

「なんですか〜?」



友達はにこにこと彼に話しかけた。




「…ゆかり、学校終わった?」



「ゆかり?」




彼が私をゆかりと呼んだ。

友達は、ゆかりが誰かわからず、首をかしげる。



「うん、ゆかり」と言って彼が私を見つめた。



ーーーー偽名が、バレてしまった




どうしよう。

怒られるかな。何されるんだろう。

最初、初めて会った時にあんなことをする男だ。もしかして、もう言うこと聞かない私を殺すかもしれない。



あの、ガラの悪い男たちとも繋がっている彼のことだ。

マワされるかもしれない。



頭の中は、それでいっぱいだった。




「え?ゆかりじゃないですよ?その子は流理ですよ?」




「るり?」




あぁ、偽名がバレただけでなく、名前まで知られてしまった。



どうしよう、どうしよう、どうしよう…

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