第7話
それを見た男は、名前は?ともう一度聞き、私の首筋に顔を押し付けた。
ゆっくりと堪能するように嗅ぎ、あいている手で首筋や体のラインを撫でてくる。
怖さと気持ち悪さで震えが止まらない。
ーーーービリッ
「いやぁぁぁぁぁ!!!」
男が、私の服の襟元を破った。
私の胸元が大きく開く。隠したくてもがくが、男の手は力強く、振り払うことができない。
「……名前、教えてよ」
怖くて涙が出た。男はそんなに体格差がないように見えるくらい細いと思っても、女の私には勝てる力がないのだ。
「……うっ、、。うぅ〜。離して、離してよぉ、。」
「……無理。ごめん」
そう言って、男は私の胸元から顔を離した。
そして、私の方へ手を伸ばす。
「おーー!お前〜、こんなとこいたのか」
そこに、数人の男が来た。もう無事で帰るには絶望的だ。
「お?なんだぁ〜?いい女じゃねぇーか。お前、いつもこういうのやらないって混ざらねーのにな。たまには、ってかー?」
男たちはゲラゲラと笑い、近寄ってくる。
男の目の前で止まると、男の背をポンポンと軽く叩いた。
「さぁ〜て。お前のチョイスした女がどのくらいか、喰っちまおうぜ?」
あはは、いいなぁ、肌白ーい、スタイルいいじゃん、と男たちは次々に舐めるように見回してくる。
その視線も言葉も気持ち悪くて、怖くて、震えも涙も止まらなかった。
「……ひっぅ…うぅ〜、帰らせて。帰りたい、もうやめて、、。うぅ〜、ひっぅ…」
私をさらった男は、黙ったまま私を見つめた。
さぁーて、と言ったリーダー格の男の手が私に伸びてくる。怖くて怖くて小さく丸くなる。自分を守るように肩を抱き、ただ震えることしかできなかった
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