第71話




「……本当に、治療だけですか?」


「そー言ってるだろー…。

どーしたら信じてくれんだよ」




はぁとため息をつき、Aが頭をぽりぽり掻いた。




と、その時。




途端にガクリと体が傾いた。

何が起こったのか、一瞬理解できずにAを睨む。



視界には、右手を手刀の形にしたAの姿が映る。





「あー、やっと寝たかー?」







意識が遠のいていく中、そんなAの声が聞こえた。


何が肉弾戦が苦手だよ。

この嘘つき。






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