第2話-⑥
「…ぁ」
「ん?どうしたの?」
「ほらあそこ」
…あの人
「またいるよ、あの人何なのかしら」
「最近よくあそこにいるよね、何か怖いなあ どうするかなあ 今は何も無いとは言え 何かあってからじゃ遅いし 警察に通報した方がいいかなあ」
「そうね、相談してみる?言っても動いてくれるのかしら?」
店長と
「
「でも、まあ男なんで、大丈夫ですよ」
「大丈夫じゃないよ!今は男だろうが女だろうが関係ない世の中だよ!」
店長は俺の肩をガっと掴み慌てた顔で言ってくる。
「そうよ!今は男でも襲われる世の中よ!本当に気をつけてね!帰りとか特にね!」
横から
男でも襲われる…。
その言葉が何故か引っかかった。
「お疲れ様でした お先失礼します」
「
「はい、ありがとうございます」
少し心配そうな顔をする店長に会釈をして店から出る。外はもう暗くて控えめに光る星を眺める。
『綺麗だな』
今日みたいな何ともない日、いつもは星を眺めるなんてそんな事はしない。なのにあの日
珍しいと思った。何かを見て綺麗だなんて、今まで一緒にいて聞いた事がなかったから…。
だから覚えている。あの日の
「あれ?
声が聞こえた方へと顔を向ける。
そこには
「…
「バイト帰り?」
「うん、今終わって」
「俺も俺も、途中まで一緒に帰ろうぜ」
その笑顔の
「うん」
暗い道を何気ない特に意味の無い雑談をしてただただ歩いた。
自然と笑顔になる自分がいる事も
忘れるには早すぎる。
俺はまだ罪を償っていないのだから。
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